Three-value assessment toolの目的
本ツールは日立京大ラボの進める研究の一つである、Cypber Human Systems(CHS)のコンセプトに基づく社会Co-OSのGUIの1つです。
ここで紹介している”Three-value assessment tool”は、地域が抱える様々な社会課題を解決するための施策をシミュレーションによって多角的な評価視点で導き出し、
多数ある施策シミュレーション結果の中から地域へ導入可能な施策を見つけるために用いることを目的としています。
シミュレータ、Cyber Human Systems(CHS)の詳しい情報は以下のボタンをクリックしてください。
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Three-value assessment tool(サンプル)の使い方
まずは”Three-value assessment tool”について説明します。
サンプルでは地域に再生可能エネルギーを導入する際の施策シミュレーション結果をツールを使って見ることができます。
施策内容は「世帯負担コスト総額」「域内分配率」「域内エネルギー利用率」「温度乖離度」の4指標でスコア化しています。
地域が運用する再生可能エネルギー施設(小水力発電、太陽光発電、蓄電池)からの電源供給と大手電力会社からの電源供給の組み合わせを多数行い、それぞれの組み合わせで「世帯負担コスト総額」と「域内分配率」、「域内エネルギー利用率」、「温度乖離度」の4指標を算出しています。
もう少し具体的に4指標について説明すると、
(1)設備導入やメンテナンス、電気料金などに必要となる「世帯負担コスト総額」
(2)再生可能エネルギー施設の建設やメンテナンス等で地域企業に支払われるお金を地域内収入とした電気エネルギーの「域内分配率」
(3)大手電力会社の電気に対する再生可能エネルギーの利用割合である「域内エネルギー利用率」
(4)日々の変動が激しい再生エネルギーを利用することによる住民への節電要請時に発生する空調設備の希望温度と設定温度との乖離である「温度乖離度」
となります。
これらの4指標の値を比較することで、地域に再生可能エネルギー設備を導入する際の住民に受け入れてもらえるかどうかの社会価値やCO2や環境への配慮に関する環境価値、コストなどの経済価値を把握することが出来ます。
また、施策内容によっては「単に経済価値を上げるだけでは、大きく社会価値が低下する施策」などを見つける支援が出来ます。
以下では、“Three-value assessment tool”のサンプルの具体的な使い方について以下で説明します。
画面の全体構成
下図は”Three-value assessment tool”の全体画面です。
本ツールは①「施策テーブル」、②「三角グラフ」、③「施策詳細テーブル」、④「設備情報」の4つのパーツで構成されています。
①施策テーブル:再生可能エネルギー導入施策の選択
「施策テーブル」には、施策シミュレーション結果が500通り表示されています。
この「施策テーブル」から施策の詳細を閲覧したいものをクリックで選択します。
施策をクリックすることで、「三角グラフ」、「施策詳細テーブル」、「設備情報」の表示が選択された施策内容に関連する内容に切り替わります。
施策の一番上の行は、現在の電気エネルギー利用状況となっており、本サンプルでは全ての電気を大手電力会社から購入した場合となっています。
一番左に「施策ID」が表示されており、”ID:000000″が現在の施策です。
「施策ID」以外に「社会価値」「環境価値」「経済価値」「世帯負担コスト総額」「域内分配率」「域内エネルギー利用率」「温度乖離度」という指標の値が表示されています。
②三角グラフ:施策の三価値バランス
三角グラフは、それぞれの頂点を「社会価値」「環境価値」「経済価値」の3つの価値としています。
上の図では三角グラフの値の見方を説明しています。例えば社会は頂点側が最大値(ここでは1.0)で対辺側が最小値(ここでは0.0)となります。環境、経済も同様にメモリを読むことが出来ます。
三角グラフの説明図にある青い●は、社会:0.2、環境:0.7、経済:0.1のところにプロットされています。
社会、環境、経済のポイントの和は1.0となり、社会のポイントが高い場合は社会の頂点寄りにプロットが表現されます。
このようにして、500通りの施策シミュレーションの結果に対して得られた「社会価値」「環境価値」「経済価値」のバランスを三角グラフを用いて表しています。
「施策テーブル」で選択施策を変更すると、紫色で囲ったプロットが選択された施策の3価値のバランスとして表現されます。
その他の灰色のプロットは残り499通りの施策の結果です。
この三角グラフを用いることで、選択した施策が「社会価値」「環境価値」「経済価値」のどの価値軸に比重を置いているものかが分かるようになります。
③施策詳細テーブル:選択施策の3価値指標
下図の施策詳細テーブルでは、施策テーブルにある500通りの施策から選択したものの評価指標の詳細情報を表示しています。
表示項目は、施策の評価指標の名称である「詳細な指標」と、その指標が主観的なデータによるものか客観的なデータによるものかを表示する「主観 or 客観」と、指標のポイントを表す「指標の価値」です。
さらにこれらの評価指標は、「社会価値」「環境価値」「経済価値」にカテゴリ分けしています。この社会・環境・経済の3つの価値の和が1.0になるようにした値をプロットしたのが上記の三角グラフのデータになります。
④設備情報:選択施策の設備情報
設備情報では、選択した施策に必要となる発電設備などに関するデータを表示しています。
設備の種類、位置情報、年間発電量、発電機の種類などを記載しており、選択した施策で導入する発電可能な発電量などを表示することが出来ます。
本ツールはサンプルとなっておりますので、ナノ水力発電、太陽光発電、蓄電池の位置情報は選択する施策を変えても全て同じデータとなっています。
実際に使用する際には、発電設備などを設置する予定地の位置情報などを入力データとして与えることで施策ごとに変更することが可能です。
また、設備のリストの横には設備の位置情報を地図上にマッピングしています。
これにより、設備の設置場所を地図を見ながら確認することが可能です。
“Three-value assessment tool”は下のボタンを押していただくとサンプルを動かすことが出来ます。
“Three-value assessment tool”はPC画面での閲覧、操作をお勧めいたします。
スマホやタブレットで閲覧される場合は、上手く動作が反映されない場合がありますのでご了承ください。